Kaitai Shinsho 02 / 2026-08-28 / おけもんカンパニー調べ

コンセプト設計の鬼は
何を貫通させたか

勉強会(8/20 AI×Instagram・1ヶ月で万垢)の登壇者が運用する算数系Instagramアカウントの解体新書。ノウハウ図書館の記事2本・勉強会当日の逐語(Pixel原液66分)・アカウントとLPの実物観察、3つの一次情報を突き合わせて「どこに着目し、何がアカウントとして優れているのか」の型を抜く。

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00結論から

このアカウントの強さは、バズった動画そのものじゃない。「わかるって、楽しい」という一文が、bio→動画の型→妻の役割→削除基準→LP→授業設計→価格まで、全レイヤーを一本で貫通していること。バズは設計の出力であって、目的ではない——実際、伸びる動画の型を持ちながら、受け入れは2家庭・月額49,800円の少数高単価で商売している。フォロワーを数で換金していない。

本人の言葉で言えば:本人談「コンセプトが決まると行動に芯が通る。ブレなくなる」(勉強会逐語)。

01アカウントのカルテ

看板算数・数学専門のオンライン個別授業(教育カテゴリ)。「わかるって、楽しい」
体裁投稿72件・フォロワー2.4万人・フォロー中1人(8/28実測)。記事タイトルは「1ヶ月で万垢」、勉強会では「今は3万人ぐらい」と本人談
「数学科卒の夫に聞いてみた」固定題字シリーズ。固定1枚絵+ホワイトボード差分+話者色字幕+夫婦の実声(紙芝居工法・別紙の解体新書01で解剖済み)
縦軸ハイライト「きぃちゃん、数検1級への道」=妻自身が学ぶ側として成長する連載
導線プロフィール→自作LP(Cloudflare Pages)→LINE→体験5,000円→月額49,800円・受け入れ2家庭まで
運用体制夫婦分業。妻=数字・仕組み・制作、夫=出演・コメント対応(勉強会逐語)

02バズりポイントの解体 — 7つの設計

1一文がすべてを貫通する

観察「わかるって、楽しい」がbioの1行目、LPの見出し、授業のゴール(「点数のもっと手前」)、動画のオチ(毎回「わかった!」で終わる)まで同じ。

本人談コンセプトの核はAIに作らせない。「紙に書きまくって、周りに聞く」。AIに出させると「どうしても平たくなる」。核は本心から出た嘘のない一文だけが務まる——旦那の事業のコンセプトを決める時は「泣くまで詰めた」。

2妻=視聴者の代理人という発明

観察毎回、妻が視聴者と同じ位置から「なんで?」を聞き、ボケ(「きぃちゃん100点以外取ったことない」)で緊張を抜き、夫が答える。犬がリアクション係。数学が苦手な人ほど妻に感情移入する構造。

本人談深掘りの実例:「成績上げたいよね、で止まるのは浅い。そもそも成績を上げたいのは親なのか子供なのかまで踏み込む」。ターゲットの解像度が役の設計に出ている。

3フォーマットのフランチャイズ化

観察題字・場面・キャラ・進行が全72本で固定。1本見た人は次の1本を0秒で理解できる=認知が資産として貯まる

本人談継続の敵はやる気不足ではなく毎回の判断コスト。型の固定と自作の投稿管理アプリ(「今日どこに何が上がるか」を可視化)で判断を先に潰す。行動は時刻ではなく「電車に乗ったら」のようにトリガーへ紐づける。

4マス型は「知った上での」挑戦

観察算数を「夫婦の日常会話」で包むことで、受験生の親だけでなく数学が嫌いだった大人まで視聴層に入る。ハッシュタグも #知育 と #夫婦の日常 の二正面。

本人談「個人サービスはニッチがセオリー。私もそう思う」——その上で「私は絞り切っていない。これはチャレンジ」と明言。セオリーを知らずに広げたのではなく、商材(誰でも通る算数)とコンセプトの整合で意図的に選んでいる。

5生っぽさだけは人間に残す

観察絵と工程はAI・自作アプリで量産する一方、声は夫婦の実録、会話の「間」を作るカットは手作業(後編記事)。コメント返しも人間(夫の担当)。

推測AI量産が当たり前になった2026年のリールで、このアカウントが埋もれない核はここ。フェルト画風は真似できるが、夫婦の間と声は真似できない

6夫婦の分業を「資質」で設計している

本人談妻は達成欲型=完了を消す仕組みと数字分析が回る。夫は規律性型でコメントが原動力=ルーティンと視聴者対応を持つ。「原動力が目的と違うとうまくいかないが、原動力が(2人で)違うことは問題ない」。ストレングスファインダーで相互理解してから運用が回り始めた。

推測「夫婦アカウント」が量産されては消える中でこれが続いている理由は、仲の良さではなくこの分業設計

7数字より、コンセプトに嘘をつかない

本人談伸びた動画でも、説明が不正確でコンセプトを裏切るなら下げる。ただし削除はしない、非公開まで(過去に削除で収益化審査を疑った実体験から)。

観察受け入れ2家庭・月49,800円・入会金なし・「受け入れは2家庭まで」の明記。信頼で売る商売は、信頼を削る投稿を1本も置けない——削除基準と価格設定が同じ一文から出ている。

03数字の実測 — バズの形

観察リール16本の再生数(8/28・新しい順):

4万
1.8
3.2
32万
3.6
5万
2.9
6.6
3.5
3.5
4.1
18.5
18.5
16.8
72.9万
6万

左=新しい・右=古い。ピンク=10万超のスパイク

読み方:立ち上げ期に72.9万・18.5万×2・16.8万の爆発(「1ヶ月で万垢」の実体)→ その後はベース2〜6万+時々32万のスパイク。全部が伸びているのではなく、型で床を作り、時々天井を抜く分布。

本人談一方で「3万人いるけど、問い合わせはまだ来ていない」とも明言している。フォロワー数と売上は直結しない——だからこそLPとLINEの導線・少数高単価の設計が本体で、バズは入口にすぎない。

04「鬼」の正体は検証履歴

本人談このアカウントは1発目の成功ではない。バイクチャンネルで全滑りして3ヶ月寝込み→猫チャンネルで収益化→AI BGMチャンネル(削除で収益化審査に苦労)→そして今回。サムネも「今回はリサーチなしで当てたが、それは経験値。初心者はリサーチから」と言い切る。

もう1つの型:「本を読んだら必ず1つ実行する」を呪いのように守る(300人の経営者の集まりで必ず質問して覚えてもらった実例)。狙ってバズらせているように見える正体は、才能ではなく検証の回数と、負けの記録を捨てないこと

05おけ森が持ち帰る型 — 5つ